今日まで温熱環境下での生理的反応についての人種的比較という研究が数多く成されてきた。しかし日本人と他人種の体温調節反応について比較を行なった研究例は比較的少ないと思われる。そこで本研究は日本人の高温高湿環境下での作業時の体温調節反応を他人種の反応と比較するものである。比較対照としたのは,Wyndhamら(1964)が冬期の気候に自然馴化していると考えられるCaucasianとBantuの被験者を用いて行なった比較結果である。