トウモロコシ澱粉-PLA混合物にCANを添加して,そのエクストルーダー生成物の諸性質について検討した.0.25%CAN添加で,生成物のかさ比重と硬さはCAN無添加に比べ改善されたが,0.5,1.0%添加では,膨化性を減少させ,かさ比重,硬さとも著しく増加した.水溶解性と凝集性は,CANの添加量の増加に伴い,それぞれ増加または減少した.0.25%CAN添加は生成物のセル壁の厚さを20μmに減少させた.このことが,かさ比重の減少に寄与しているものと思われた.サイズ排除クロマトグラフィーの結果,CANの添加はエクストルージョン中の澱粉の分解を促進した.また,ほとんど膨化しなかった0.5あるいは1%CAN添加では,高分子画分のピークは消失した.DSC分析から,エクストルーダー生成物のPLA画分は,CAN含量が異なっても変化が認められず,CANによるPLAの分解はないものと思われた.