ウシ優性卵胞と閉鎖卵胞の両卵胞液(bFF)中にβ2- N -アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼI(GnT I)活性を検出した.本酵素活性は至適pHを5.8に示し,二価金属イオン絶対依存性(Co2++>Mn2+>Mg2+)と基質特異性(α1-3α1-6マンノペンタオース>α1-3α1-6マンノトリオース>α1-3マンノビオース)を有していた.α1-3α1-6マンノペンタオースに対する K m値は2.17m M であった.閉鎖卵胞のbFF中GnT I活性は優性卵胞のbFF中のそれより顕著に高かった.一方, t -検定解析により,優性卵胞のbFF中のGnT I活性はLHサージの前後で有意な変化を示さなかった.以上の結果から,顕著に亢進した閉鎖卵胞のbFF中GnT I活性は卵胞の閉鎖化に関与している可能性が推察された.