日本人女性の乳中に含まれる3種のガラクトシルラクトース(GL)濃度の泌乳期に伴う変動を,2-アミノピリジル誘導体化を用いた順相系HPLCにより定量した.6´-GL濃度は出産後4日目で最も高く,泌乳期の経過に伴って減少したのに対し,3´-GLおよび4´-GL濃度は出産後4日目から100日目までほぼ変化がなかった.6´-GL濃度は出産後4日目のヒトミルクで主要なGLであったが,牛乳では3´-GLが主要なGLであると報告されている.それらの濃度はヒトミルク中に含まれる2´-フコシルラクトース,3-フコシルラクトース,ラクト- N -フコペンタオースI,II,IIIならびに3´-および6´- N -アセチルノイラミニルラクトース濃度に比べ,はるかに低かった.