サツマイモ澱粉工場から排出される澱粉粕を原料としてサツマイモ食物繊維 (SPDF) を調製した. SPDFの食物繊維量は83.8%であった. 4週齢のウイスター系ラットにSPDFまたはセルロースパウダーを10%含む飼料 (Table 1) を与え27日間飼育し, ラットの盲腸内細菌叢に及ぼすSPDFの影響を調べた. その結果, SPDF群のラットは対照群と比べて個体間のばらつきはあるものの, 体重増加量を抑制し, 飼料摂取量は有意に減少した. 盲腸内容物pHには有意な差は認められなかった. 盲腸内容物湿重量および盲腸組織湿重量には有意な差は認められなかったが, SPDF群ラットが重かった (Table 3). 糞の重量はSPDF群が対照群と比べ少なかったが, 糞水分はSPDF群が有意に高い値であった (Table 4). 腸内細菌叢は, 有意差はないもののSPDF群が対照群と比べて多く, 特にビフィズス菌が検出された. また, SPDF群は好気性菌に対する嫌気性菌の割合が高かった (Table 5). 盲腸内容物中の有機酸組成のうち, SPDF群は対照群と比べプロピオン酸が優位に多かった (Table 6).