酢酸菌ATCC23769株は, 培養中にセルロースだけでなく様々なオリゴ糖類を蓄積した. さらにこれらのオリゴ糖類は培地中に分泌される菌体外酵素β-グルカナーゼ活性の増加と相関していた. 酢酸菌は通常セルロースと骨格が同じ水溶性の多糖アセタンを合成するが, このATCC23769株はアセタンを合成しないことが知られている. この菌株由来のβ-グルカナーゼは還元糖の生産でみる限りセルロースを加水分解しないが, アセタンを加水分解することがわかった. 以上のことから, 培養液中に蓄積するオリゴ糖類はアセタン由来である可能性が示唆された.