羅漢果 ( Siraitia grosvenori Swingle) エキス中に存在する甘味トリテルペノイド配糖体の主成分であるモグロシドV (MV) を, デンプンを供与体基質としてシクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ (CGTase) の転移反応で配糖化した. Bacillus macerans , B. circulans , B. stearothermophilus および Thermoanaerobacter 属由来のCGTaseはMVを転移反応で効率的にグリコシル化した. グリコシル化には9% (w/v) MV, 20%のタピオカデンプンに B. macerans のCGTase (30単位/gデンプン) を50℃, pH 6.5で24時間作用させた場合が適当であり, この条件下では24時間以内に最大約90%という配糖化率が達成できた. マススペクトル分析で1~3残基のグルコースが付加した3種類の転移生成物が同定された. 官能検査で評価した結果, 導入したグルコース残基数の増加とともに, 甘味強度はMVと比べて低下したが, 苦み, 後引き, くせなどの甘味質は十分改善できることがわかった.