アルキル炭素鎖が3から5で構成されたω-epoxyalkyl α-D-glucopyranosides (それぞれα-E3G, α-E4G, α-E5Gと略す) は, β-アミラーゼのアフィニティーラベリング試薬として知られているが, 高濃度 (0.1-1.5 M程度) では Thermoactinomyces vulgaris R-47由来のプルラン分解α-アミラーゼ (TVA IおよびTVA II) を不活性化することが分かった (Fig. 1, 2). 本不活性化は2段階から成る反応機構であると考えられ, α-E5Gに対する不活性化定数 k および解離定数 K Rを計算した (Fig. 2). α-E5Gに対するTVA IとTVA IIの k / K Rは13.1×10-4および6.41×10-4M-1·S-1であった (Table 1). また, 不活性化効果はTVA IおよびTVA IIでそれぞれα-E5G>α-E3G≈α-E4G, およびα-E5G>α-E3G>α-E4Gの順番となった. この結果, アルキル炭素鎖の長さと不活性化の効果の関係はTVA IおよびTVA IIとβ-アミラーゼやイソマルトデキストラナーゼで異なることがわかった.