米飯の品質管理など実用上重要な保存初期 (24時間以内) における米飯の老化を, 機器測定ならびに官能検査によって評価した. 保存は4℃および15℃の2条件を設定して行い, 次のような結果を得た. 1) 4℃保存米飯の機器測定結果は, 老化程度が保存6時間以降増大することを示した. 2) 15℃保存米飯の機器測定による老化程度はかなり小さく, 進行も緩慢であった. 3) 官能検査結果は4℃保存米飯における老化が, 機器測定に比べより早い時期から感覚的に捉えられていることを示した. 4) 機器測定項目と官能検査項目における相関係数の分析から, 冷蔵保存と15℃保存の相違が米飯の物性に大きく影響していること, 結果として老化の評価における指標が保存温度によって異なることが示された. すなわち, 冷蔵保存では白濁度, DSC測定, 25%圧縮かたさが口腔内感覚評価と強く関連し, 15℃保存では25%および80%圧縮における付着性が口腔内感覚評価と関連することを明らかにした.