乳から調製したシアリルラクトース(SL)とβ-ガラクトシダーゼの糖転移反応で酵素合成したガラクトシルシアル酸(GN)について,成熟ラットの水泳学習行動と脳内脂質組成との関係に着目して解析を行った.その結果,SLやGN投与群の水泳学習行動は,対照に用いたシアル酸やガラクトオリゴ糖および乳糖投与群と比較して向上する傾向にあった.また,SLやGNを投与したラットでは脳内のリン脂質やガングリオシドが有意に増加することが明らかとなった.リン脂質やガングリオシドは脳内脂質を構成する重要な成分であり,乳児期で急激に増加した後,一定の水準となり,その後高齢化に伴い減少することが知られている.