数種類の単糖を微生物酸化してアルドン酸を生成させ,それらのカルシウム結合力を調べた. Burkholderia cepacia 洗浄菌体をCaCO3の存在下で15%(w/v)の D -ガラクトース, D -マンノース, D -キシロース, L -アラビノースと振とうした結果,99.4,93.6,94.5,93%の収率でそれぞれのアルドン酸が得られた.変換には, D -ガラクトースで2日,他では8日を要した.反応液上清を活性炭および陽イオン交換樹脂で処理すると高純度の遊離アルドン酸が得られた.アルドン酸類のカルシウム封鎖能はEDTAやクエン酸よりも低く,カルシウム結合力が弱いことが示唆された.アルドン酸類はカルシウムとの結合が弱く,高水溶性の塩を形成することから,ミネラル塩を捕捉して洗剤の働きを助けるビルダーなどとしてではなく,ミネラル吸収を促進する機能性糖質としての利用が有望と考えられた.