アワ粉の調理特性を明らかにする目的でRVAによる粘度,テンシプレッサーによるゲルの物性に及ぼすショ糖,食塩,サラダ油,牛乳添加の影響について研究し,市販のヒエ粉,米粉,小麦粉と比較した.また小麦粉の一部をアワ粉で置換した場合の混捏特性や粘度,ゲルの物性についても検討した.その結果,アワ粉の加熱時の粘度は小麦粉に近似であり,またアワ粉ゲルは硬さ,付着性が小さい物性を示し,食塩を0.5%添加することにより対照の2倍の硬さとなり,サラダ油の添加により約6倍に硬さが増加した.牛乳を添加することにより,アワ粉ゲルの硬さは大となり,牛乳・食塩・サラダ油を添加するとさらに硬さを増し,成形しやすくなりクリームコロッケなどに利用可能と考えられた.強力粉にアワ粉を10%置換した場合,ファリノグラフィーによる混捏特性に及ぼす影響は少なく,膨化倍率,官能評価からもアワ粉10%置換までであればパンなどにも利用可能と考えられる.