イソプリメベロース生成酵素(IPase: EC 3.2.1.120)は,キシログルカンオリゴ糖の非還元性末端からイソプリメベロース単位で切断する加水分解酵素である.これまでに原核生物由来のIPaseは報告例がなかったが,本研究では原核生物由来で初のIPaseを単離し,性状解析を行った.まず,IPase産生菌をスクリーニングした結果,放線菌 Oerskovia sp. Y1株が単離された.そこで,培養上清中より精製を行い,分子量105 kDaのIPaseを単離した.本酵素の性状解析を行ったところ,至適pHおよび至適温度は,それぞれpH 4.5と55°Cで,pH 3.5からpH 7.5の間および45°Cまで安定であることが明らかになった.また, K m値は0.7m M で比活性は85ユニット/mg酵素であった.HPLCによる解析の結果,本酵素はキシログルカンオリゴ糖XXXG(Gは側鎖のないグルコース残基を,Xはキシロース側鎖をもつグルコース残基を表す)をXとXXGに,XXGをXとXGに,最終的にXGをイソプリメベロースとグルコースに分解することが明らかとなった.また,転移活性も有しており,XをXXXGに転移してXXXXGを産生することも明らかになった.