糖質に対して活性をもつ酵素群 (Carbohydrate-Active enZymes, CAZymes) の構造と機能に関する研究は,ここ10年ほどの間に大幅な発展を遂げてきた.特に,糖質加水分解酵素 (Glycoside Hydrolase, GH) ファミリーは100を超え,その立体構造 (フォールド) は非常にバラエティに富んでいることが明らかになってきている.このレヴューでは,われわれのグループが新規に構造を決定した4種類のGHファミリー (GH42, GH57, GH54, GH94) の立体構造を中心に,一見無関係にみえるGHファミリー間でみつかった構造と反応機構の類似点から,それらの進化的な関連の可能性について議論する.