ラクトスクロース (4G-β- D -ガラクトシルスクロース,以下LS) は,腸管内において Bifidobacterium に選択的に資化されるオリゴ糖である.本研究では,マウスにおける腸管免疫反応に及ぼすLS連続摂取の影響を検討した.BALB/cマウスにLS2%または5%添加飼料を4週間摂取させ,小腸粘膜の免疫応答性を調べた.LS2%または5%摂取群で,糞および盲腸内容物中のIgA量が有意に増加した.パイエル板細胞からのIgA,TGF-β,IL-6分泌も増加した.また,LS摂取マウスの盲腸内容物中のpHが低下した.さらに血清中のIgG1がLS摂取群で有意に低下した.以上の結果から,LSは腸内細菌叢の変化を促すことにより,間接的に消化管内の免疫反応に影響を及ぼすことが示唆された.さらに,LS摂取による全身免疫系のTh2応答抑制作用が期待された.