Streptococcus bovis 148 α-amylase (AmyA) のSBDを特定するために各種変異型AmyAやputative SBD segmentを作成した.解析の結果,AmyAのCatalytic Domainを特定し,C-末端を欠失すると生澱粉吸着能が消失することから,SBDはC-末端側に存在することを明らかにした.また,SBDは二つ存在しており,これらをSBDα,SBDβとした.SBDαとSBDβは56%の相同性を示し,繰り返し様配列であった.変異型AmyAの生澱粉分解試験から,生澱粉分解にはSBDが必須であり, S. bovis 148 AmyAは二つのSBDがあることによって効率よく生澱粉を分解していることが明らかとなった.そこで, S. bovis 148が保持する生澱粉非分解型の細胞内α-amylase (AmyB) にAmyAのPutative Linkerと二つのSBDを融合したキメラ酵素 (CsaB) を作成した.このキメラ酵素を用いて生澱粉分解試験を行った結果,微弱ながら生澱粉を分解することに成功した.このことはSBDが生澱粉の表面に作用して澱粉の構造を壊していることを支持する結果となった.