酢酸菌の一種である Asaia bogorensis はスクロースを含む液体培地で培養すると,培養液中に水溶性多糖を生成する.この水溶性多糖をエタノールにより沈澱させた後,アルカリおよびクロロホルム処理を行いタンパク質を除き,再度エタノール沈澱を行うことにより精製した.この水溶性多糖の構成糖を調べるためにトリフルオロ酢酸による酸分解を行った後,薄層クロマトグラフィーによる分析を行った.これにより,構成糖はほぼ完全にフルクトースであり,この水溶性多糖はフルクトースからなるホモ多糖であるフルクタンであることが示唆された (Fig. 1).さらにフルクタンの種類を調べるために1H NMRおよび13C NMRを行った結果,ともに酢酸菌 Gluconacetobacter xylinus の生産するレバンと同様のスペクトルを示した (Fig. 2,Fig. 3).以上の結果から,本菌の生産する水溶性多糖はβ-2,6-結合を取るレバン型のフルクタンだと考えられた.