馬鈴薯澱粉を副原料とした新規の発泡酒を製造するために,まず,品種および粒径の異なる数種の馬鈴薯澱粉の中から発泡酒醸造適性を有するものを選定した.また,このようにして得られた発泡酒の成分特性を評価した.馬鈴薯澱粉工場の10種類の製品について澱粉特性を検討した結果,風力分級機によって得られた極小粒子澱粉(メジアン径13.6μm)は,リン含量が高いが,RVAによる最高粘度は低いので,発泡酒の副原料として最適であると判断した.リン酸化澱粉が分解して生じるリン酸化オリゴ糖の分析の結果,このような馬鈴薯澱粉で醸造した発泡酒に明らかにその存在が認められた(600 ppm).一方,コーンスターチおよびサツマイモ澱粉で醸造した発泡酒では,リン酸化オリゴ糖はほとんど認められなかった.