糸状菌 Aspergillus oryzae の生産するβ1-4エンドグルカナーゼ(AoCelB,GHF7)はラクトースとアルカノールの縮合活性を示した.ラクトースを供与体とした場合にメタノール,エタノール,1-ブタノール,1-ヘキサノール,1,6-ヘキサンジオール(HD)などが糖受容体となった.糖供与体として250 m M ラクトース,糖受容体として1.5 M HDを用いた場合に最も高効率で縮合がみられた.Lacβ- p NP,セロビオースβ- p NPからHDに対する糖転移反応も観察された.LacNAcとHDの縮合はみられなかった.AoCelBと同じGHF7に属する Fusarium oxysporum Cel7B(FoCel7B)遺伝子を A. nidulans を宿主として発現させ,ラクトース縮合作用を調べたところ,FoCel7BもLac縮合活性を示した.これらの結果から,GHF7に属する菌類のセルラーゼはラクトースを糖供与体とした縮合反応が可能であると推定された.