p-ニトロフェニルα一レフコピラノシドをドナーとして,ブタ肝臓由来の部分精製α-L-フコシダーゼを用いて,a-L一フコシル化二糖と三糖の位置選択的合成を行った.p一ニトロフェニルβ-D一ガラクトピラノシド(Ga1β-pNP)をアクセプターとした転移反応においては,主生成物Fucα1→2Galβ-pNPとともに(1→3)と(1→6)結合異性体を生成し,それぞれの生成比は58:22:20,全収率はドナー当たり40.6%であった.一方,ρ一ニトロフェニルβ一D一グルコピラノシドをアクセプターとした場合は,主生成物は(1→3)結合二糖であり,同時に(1→2),(1→4),(1→6)結合異性体も生成した.p一ニトロフェニルβ-D一ラクトシドをアクセプターとした場合は,Ga1β一ρNPアクセプター同様に本二糖Ga1残基の0-2',0-3ノ,0・6ノ位がフコシル化されるが,その位置選択性および収率は著しく低下した.p一ニトロフェニル2一アセトアミドー2一デオキシーβ-D一グルコピラノシドをアクセプターとした反応においては,主転移物は(1→3)と(1→4)結合二糖であった.