1,5-アンヒドロフルクトース(1,5-AF)の簡便な調製法を開発し,その抗酸化活性を調べた.まず,α-1,4-グルカンリアーゼ(EC4.2.2.13)を紅藻類のGracilaria verrucosa(おごのり)から抽出し,澱粉吸着により精製した.この酵素を用いて,360gのモチトウモPコシ澱粉からイオン交換樹脂とゲル濾過の行程を経て,150gの純度98.6%の1,5-AFを得た.産物はIH-13C COSY NMRによって1,5-AFと同定した.[α]D25は-16.8°であった.1,5-AFの抗酸化力をリノール酸の酸化防止を対象として,アスコルビン酸(VC)と比較検討した.その結果,1,5-AFはVCに対して,チオバルビツーノレ酸法やチオアシン酸法では,ほぼ1.8倍の抗酸化力のあることが認められた.