米,馬鈴薯,甘藷,小麦,トウモロコシ,サゴ,タピオカ澱粉に,コメの枝付け酵素の一つであるRBE1を作用させ,陰イオン交換-パルスアンペロメトリー高速クロマトグラフィー(HPAEC-PAD)に供した.元の澱粉の構造に関わらず,RBE1処理された各種澱粉の構造は似通っており,10から11個のグルコース鎖の枝と,6個のグルコース鎖の枝の二つのピークを持つ形となった.RBE1反応の経時変化を調べたところ,長い糖鎖の転移は約10時間までに定常に達したが,短い6個の糖鎖は,反応22時間後でも増え続けた.アミロースでは短鎖,長鎖ともよく転移されたが,基質がすでに側鎖が多い場合には,RBE1による長鎖の転移が減少した.以上のことから,枝付け酵素の転移反応は,基質澱粉の側鎖の密度によって制限され,最終反応生成物の鎖長分布および側鎖の量はある定常状態に収束するものと考えられた.