水分16%に調整したトウモロコシ澱粉にセラックを0-10%添加して,二軸エクストルーダー処理を行った.エクストルーダーのスクリュー回転数は200rpm,バレルおよびダイ温度は同一とし,110,140,170。Cの3水準で行った.得られた生成物は膨化度,かさ比重,平均セルサイズ,水溶解性,X線回折図形およびサイズ排除クロマトグラフィーによる分子量分布の変化を検討した.膨化度は,バレル温度およびセラック含量に,かさ比重はセラック含量のみに依存していた.かさ比重生成物の平均セルサイズはセラック含量6%まで増加したが,個々のセルサイズに大きなばらつきが認められた.またセラック含量の増加に伴い,エクストルーダー処理生成物の水への溶解性も低下した.生成物のX線回折図形において,VおよびE図形が認められ,セラックートウモロコシ澱粉間で複合体の形成が示唆された.さらにセラックは,エクストルーダー処理中の澱粉の低分子化を抑制した.