甘藷澱粉粕から効率的な新しい食物繊維の製造法を開発した.この製造法は粉砕・分級の2工程から成り,クエン酸発酵粕からの製造法や酵素法と比べ,工程の簡略化が可能となった.得られた食物繊維は,市販されている食物繊維と比べ,保水・油性とも優れていた.温風乾燥して得られた食物繊維の保水・油性は組織表面への吸着によるものであり,凍結乾燥して得られた食物繊維のそれらは,組織内孔に取り込むものであることがわかった.温風乾燥して得られた食物繊維の色調は標準白色板との差(aE)および白色度の値がそれぞれ,9.6および815と白色に近く,黄色度は16.7と低い値であった.白色度はビートファイバーやコーンファイバーと比べ高かった.また,官能的にはほぼ無臭であった.