米(ユキヒカリ)澱粉水溶液の非ニュートン流動と動的粘弾性をレオゴニオメータを使用して測定した.ユキヒカリ澱粉水溶液は2.0%で擬塑性流動を,3.0%以上の濃度で降伏値が認められ,塑性流動を示した.澱粉水溶液の粘性は温度の上昇に伴って,わずかに減少した.澱粉水溶液の動的弾性率は3.0%以上の濃度で著しく高い値を有し,温度の上昇に伴って40℃(3.0%)および45℃(4.0%)までほぼ一定の値を示したが,それ以上の温度で徐々に減少して転移温度が認められた.ユキヒカリ澱粉(4.0%)に尿素(4.0M)を添加すると,低い値に留まったが,20および4℃で24時間保存すると低温側で高い値を示し,温度の上昇に伴って著しく45℃まで増大したが,それ以上の温度で急激に減少し,シグモイド曲線を示した.また,本澱粉は0.05MNaOH溶液で低い値に留まったが20および4℃で24時間保存すると動的弾性率が増大し,温度の上昇に伴って65および55℃までわずかに減少したが,これ以上の温度で急激に減少して転移温度が認められた.以上の結果は,先に提出した米澱粉(日本晴)の糊化機構を支持した.