ヒト腸内のBifidobacteriumを増加させる4G-β-D-galactosylsucrose(ラクトスクロース)を効率的に生産するためにArthrobactersp.K-1から産生されるβ-fructofUranosidaseをグルタルアルデヒドを用いて担体(FE4611)に固定化した.酵素の最大固定化量は約30U/g・wet担体であり,その回収率は76.6%であった.固定化することによって至適pHは広がり,至適温度は高くなった.固定化酵素のpH安定領域はNative酵素より広くなった.固定化酵素およびNative酵素とも45℃まで安定であったが,65℃以上では固定化酵素よりNative酵素の方が安定であった.パイロットプラントスケールでカラムリアクターをコンスタントコンバージョンで運転したところ,ラクトスクロースの生成率30%以上で35日間生産可能であった.この結果より,固定化酵素を用いて工業的にラクトスクロースが生産可能であることが示唆された.