細胞結合型のAspergillus nigerのイソプルラナーゼ(IPU)は糖蛋白質であり,プルランを加水分解し,イソバノースを生成する酵素である.Aspergillus oryzae M-2-3を宿主として,A. niger IPU遺伝子を発現させて得たrecombinant IPU (rec-IPU)の糖鎖含量はendoglycosidase H (Endo H)で13時間処理すると,33.8%から2.1%に減少し,糖鎖除去したIPUの活性はrec-IPUの活性の65%を保持していた.3Deg-IPU(Endo Hで3時間処理して調製された酵素標品;6.8%糖含量)の基質特異性や至適pH・温度はrec-IPUやnative IPUと変わらないが,反応速度論定数は,プルランに対するKm値を除いて,プルランに対するko,緬/Km値,とパノースに対すKm, ko, ko/Km値は糖鎖含量が減るにつれ減少した.また,レクチンプロット法によって,糖鎖の種類を検討した結果,rec-IPUの糖鎖はハイブリッド型糖鎖,もしくはハイブリッド型と高マンノース型糖鎖であると分類された.