固定化したイソアミラーゼとフリーなイソアミラーゼ,およびフリーなプルラナーゼの枝切り反応をコントロールする条件を検討し,モチトウモロコシのアミロペクチンの各種部分加水分解物調製を行った.これらをToyopearl HW-65Fを用いるゲル濾過にかけ三つの成分に分けた.約10-15%部分加水分解物がアミロペクチンから切り放される短めの枝を集めるのには適していた.アミロペクチン分子の外部にある枝の分布を調べる手法を検討する目的で,最も分子量が小さい区分(fr.3)をイソアミラーゼで再度枝切り処理したのちHPAEC-PADで分析を行った.最も分子量が小さい区分の鎖長分布はDP6-15の短い鎖長が多く存在することから,このような短めの鎖長の多くはアミロペクチンの外部から由来するA鎖と考えられる.各種枝切り酵素間の比較から,フリーのイソアミラーゼとプルラナーゼを低い酵素活性で働かせて調製する部分枝切り物は,固定化イソアミラーゼと同じくアミロペクチンの外部鎖長の研究に利用できることが明らかになった.