Thiobacillus thiooxidansをセンサーに用いた亜硫酸高感度自動測定装置について,本研究では,菌体ではなく細胞下(subcellular)画分におけるsulfite dehydrogenase反応の酵素学的な基盤確認を行おうとした.その結果,反応初速度は画分(酵素)の量に比例することが確認され,至適pHは7.5であった.亜硫酸を基質とする触媒反応の速度論量は,Michaelis定数Km1.7±0.2mM,および最大速度V0.083±0.035mM/min/mgであった.第二基質のフェリシアン化カリウム(K3Fe(CN)6)濃度は0-1.5mMの範囲で初速度に比例した.また,K3Fe(CN)6をチトクロームcに置き換えて触媒反応を観測したところ,第二基質となることが確認された.これらの結果から,菌体自体と同様あるいはそれ以上に,細胞下画分sulfite dehydrogenaseを亜硫酸高感度測定装置のセンサーとして活用できると考えられた.