‘白くわい’,‘青くわい’および‘吹田くわい’の3品種と‘白くわい’ב青くわい’,‘ 白くわい’ב吹田くわい’,‘青くわい’ב白くわい’,‘青くわい’ב吹田くわい’,‘青くわい’ב青くわい’,‘吹田くわい’ב吹田くわい’の組合せで交配して得られた6系統の球茎から澱粉を調製し,その性質を検討した. 電流滴定による見かけのアミロース含量は28.2-29.9%,イソアミラーゼで枝切りした澱粉のゲル濾過分析よりアミロースに相当するFr.1は26.6-31.3%であった.HPAEC-PDA法によって,くわい澱粉・のアミロペクチンはモチトウモロコシ澱粉のアミロペクチンと比較して,重合度6および7の鎖長画分が増加し,重合度9の鎖長画分が減少するという特徴ある短鎖の鎖長分布を示した.X線回折図はいずれもA図形であった.‘ 白くわい’,‘ 青くわい’,‘ 吹田くわい’の3品種間では,澱粉の平均粒径およびDSCによる糊化温度は‘白くわい’>‘青くわい’>‘吹田くわい’,酵素分解性,70℃ における溶解度ならびに膨潤度は‘白くわい’<‘青くわい’<‘吹田くわい’の順であった.酵素による澱粉粒の分解性と60℃,70℃ における溶解度,膨潤度との間に正の相関が,酵素による澱粉粒の分解性とDSCによる糊化温度(ToおよびTp)との間に負の相関がみられた.