1,5-アンヒドロ-D-フルクトース(1,5-AF)の紫外部領域の吸収スペクトルは215nmに最大吸収を示し,266nmにも小さなピークが認められた.215nmにおけるピークの分子吸光係数(34M-1・cm-1)は小さく,定量に用いるには適当でなかった.1,5-AFのフェノール一硫酸法での発色はグルコースの15%で,アンスロンー硫酸法ではまったく発色しなかったため,1,5-AFの定量にこれらの全糖量測定法は適さないことがわかった.一方,1,5-AFは比較的低温の35℃でもCu2+(ソモジイネルソン法,ネオクプロイン酸法)とFe3+(パークジョンソン法)を還元した.ソモジイネルソン法とネオクプロイン酸法では他のヘキソースやペントース存在下でも1,5-AFを特異的に定量できた.ネオクプロイン酸法はより高感度(0-50μg/mL)であり,マイクロタイタープレートを用いた小スケール(20μLの検液)の測定にも適用できた.