リンゴ銀葉菌の培養口液からペクチン酸リアーゼIとII(PL I,II)をSDS-PAGE的に均一成分として単離した.これらの分子質量は48kDaで等しく,Endo H処理によりともに38kDaに減少した.また,等電点はそれぞれ4.15と4.10であった.N末端アミノ酸20残基は共通であり,アミノ酸組成もきわめて似ていた.これらは至適pHが95,熱安定性は50℃ まで,pH安定性はpH6.0-7.0とほぼ同じであり,0.2mMCa2+存在下で最大活性を示した.反応生成物のHPLC分析で,反応初期からオリゴガラクツロン酸を生成したことからエンド型と推定されたが,E . carotovora PLによる生成物パターンとは異なっていた.また,反応最終産物は不飽和のジとトリガラクツロン酸であったが,その比率はE.carotovora PLの場合とは異なっていた.