Thermoactinomyces vulgaris R-47の生産するプルランおよびサイクロデキストリンを分解するα-アミラーゼ(TVAII)の生体内における役割を調べるため,TVAII遺伝子の上流にある遺伝子をクローニングし塩基配列を決定した.約5kbp断片中に五つのオープンリーディングフレーム,ORF-1~-5が同定され,ORF-1,-2と-3の遺伝子産物はEscherichia coliのマルトースやKlebsiella oxytocaのサイクロデキストリンの糖代謝系に関するタンパク質と相同性を示した.ORF-3タンパク質は糖結合タンパク質(E.coliのMalEやK.oxytocaのCymE)と相同性があることが見出された.さらにORF-3について発現ベクターを構築し,発現ORF-3タンパク質の精製および性質を調べた.ORF.3タンパク質はマルトースよりもサイクロデキストリンと高い結合能を有するので,本タンパク質はサイクロデキストリン結合タンパク質であることが明らかとなった.