ヒドロキノン(HQ)とエピカテキン(EC)を,ショ糖を供与体としてβ-フルクトフラノシダーゼの糖転移反応により配糖化した.数種類の酵素を比較した結果,Arthrobacter属由来の酵素が最も効果的であった.HQの配糖化生成物(HQβ-フルクトフラノシド,HQF)は,HQ濃度0.4M,ショ糖濃度1.0Mで最も効率的に合成された.HQFはゲル濾過により単離し,13GNMRにより構造を確認した.ECの配糖化は,反応系におけるECの溶解性を上げるために5%2-プロパノールの存在下で行った.ECからは2種類の転移生成物が約7:2の比率で生成した.これらのうち,主生成物をシリカゲルクロマトグラフィー,ゲル濾過,調整用HPLCで単離した.13C-NMR分析により,ECの3位の水酸基が配糖化されていると推定された.HQFとECFはマウスメラノーマ細胞のチロシナーゼ活性を阻害した.この酵素はメラニン合成のキー酵素であり,皮膚の美白物質としての応用の可能性が示唆された.