Arthrobacter globiformis由来のイソマルトデキストラナーゼのサブサイト親和力とkintをイソマルトオリゴ糖を基質として測定した速度パラメータから計算した.サブサイト1,2,3,4,5の親和力はそれぞれ>7.3,<-7.2,6.7,0.74,0.18kcal/mo1で,kintは3.1×102s-1であった.正の値を示したサブサイト1と3は基質を誘引し,productiveな結合様式の形成に寄与するものと考えられる.本酵素は非還元末端にイソマルトース単位を持つ多くのオリゴ糖を加水分解するのに対して,非還元末端にイソマルトース単位を持たないイソバノースやマルトトリオースは基質にも阻害剤にもなり得なかった.これらの結果より,本酵素の加水分解作用においては,サブサイト1と2に基質の非還元末端側のイソマルトース単位が結合することがproductiveな結合の形成に必須であることが示唆された.