好アルカリ性Bacillus sp.KSM-K38株由来のカルシウムを含まない新規α-アミラーゼ(AmyK38)は,比活性が高く,強力なキレート剤耐性および酸化剤耐性を有するが,工業的応用の面では耐熱性の向上が望まれる.そこでまず,AmyK38とBacillus由来α-アミラーゼ(AmyK)のArg181-Gly182欠失耐熱性変異酵素(dRG)との間で数種キメラ酵素を構築した.その結果,AmyK38のN末端19アミノ酸配列をdRGの配列に置き換えたキメラ酵素に耐熱性の向上が認められた.さらに,部位特異的変異でAmyK38のN末端19アミノ酸配列中のTyr11をPheに置換(Yl1F)することにより,酵素化学的特性を損なうことなく耐熱性を獲得することが判明した.また,ホモロジーモデリングにより,YllFの耐熱性向上はPhe11周辺のパッキングがより密になった結果と推定したV.