次世代稲作技術構築のための研究で作出された新形質糯米を各種の調理や加工食品へ利用する目的で,平成6,7(1994,1995)年産の特徴ある糯米を試料として,米粉,炊き強飯,餅の物性ならびに食味特性から調理・加工適性を調べた.米粉はブラベンダーテストミルで調製し,ラピッドビスコアナライザーによる粘度,テンシプレッサーによる物性を測定した.餅はもちつき機を用いて調製し,時間経過に伴う物性変化を測定し,炊き強飯の物性はファリノグラフィーによる混捏特性から求めた.官能評価は餅および炊き強飯について評点法により食味特性を検討し,物性との関連を考察した. 1)RVAによる糯米粉の粘度には,試料間に差が認められ,高速硬化の特徴をもつおどろきもちは,ヒメノモチに近い高粘度を示し,米粉糊の硬さ,付着性が大きく,時間経過に伴う糊の硬さの増加が顕著に認められた. 2)餅の硬さは編米粉糊の硬さと同様の傾向を示し,おどろきもちは時間経過に伴う硬さの増加が大きく,成型しやすい特徴が明らかであった.奥羽編349号(H7),ヒヨクモチは軟らかさのある餅であった.これはファリノグラフィー一による炊き強飯の硬さと同