4-アミノ安息香酸エチルエステル標識化法(ABEE標識化法)を用いて,α-グルコオリゴ糖の結合位置異性体を同時に高感度で分析を行う条件を検討した.4種類のα-グルコニ糖類(コージビオース,ニゲロース,マルトース,イソマルトース)は溶離液に12%アセトニトリルを含む0.1M酢酸アンモニウム緩衝液(pH4.0),カラム温度25℃の条件で,それぞれ最も良好に分離した.さらに,上記の4種類のα-グルコニ糖類に加え,5種類の三糖類(コージビオシルグルコース,ニゲロシルグルコース,マルトトリオース,パノース,イソマルトトリオース),グルコースの計10種類の糖混合物は,溶離液に10.5%アセトニトリルを含む0.1M酢酸アンモニウム緩衝液(pH4.0),カラム温度25℃の条件で同時分析可能だった.同じカラムを2本つなげることによりさらによい分離が得られた.本法は各α-グルコオリゴ糖を30pmolもの微量から定量分析可能である.