起源の異なる10種の澱粉の理化学的性質を測定した.ジャガイモ澱粉は,膨潤力が著しく,95℃ で88.0であり,次いでキャッサバ澱粉の45.3であった.また,レンコン澱粉は30 .5で他の澱粉は16.2から28.0の間であった.キャッサバ澱粉がすべての澱粉の中で最も溶解度が高かった.イソアミラーゼ分解した後のアミロペクチンの鎖長分布は,各澱粉間で特徴があり,特に鎖長6-9の割合が異なっていた.膨潤力・溶解度,アミログラフ特性値と同じ試料を用いて測定した過去の実験データをパラメータとして主成分分析を行い,10種の澱粉の相互関係を検討した.その結果,三つの主成分が得られ,それらの意味付けは,大変形下の粘弾性挙動と糊化特性,微小変形下の挙動,澱粉粒の性質と考えられた.また,主成分得点により澱粉を布置して比較すると,澱粉の示す特徴により四つのグループに大別された.