澱粉を緑豆(Vigna radiata L.Wilczek)の種子から単離し,その物理化学的特性について調べた.澱粉のアミロース含量は33.19%で,AタイプのX線回折パターン(主要屈折は2θ=15,17,23°)を示した.また,澱粉糊液のブラベンダー粘度パターンは濃度依存性を示した.DSC分析の結果,糊化開始温度(To),ピーク温度(Tp)および糊化終了温度(Tc)はそれぞれ59,69,750℃で,糊化エンタルピーは6.llJ/gであった.糊液の貯蔵弾性率(G′),損失弾性率(G″)および複素弾性率(G*)は澱粉濃度5%よりも10%の方が高かった.しかし,損失正接(Tanδ)はほとんど同じであった.ゲル濾過法より,イソアミラーゼ処理後の澱粉の重合度は17で,未処理の重合度25より大きく減少した.