インゲンマメ(Phaseolus vulgaris L.)緑葉から単離した澱粉粒には,種子より単離した澱粉粒と同様に,分子質量59kDaのタンパク質が結合していた(Fig.1).種子の59kDaタンパク質は,種子特異的に局在するgranuleboundstarch synthase I(PvGBSSIa)であることがすでに明らかにされている.緑葉59kDaタンパク質のN末端配列はvGBSSIaの配列と高い相同性を示したが,同一ではなかった(Fig.1).緑葉59kDaタンパク質(PvGBSSIb)をコードするcDNAクローン(pvgbsslb)をreverse transcriptasemediated PCR(RT-PCR),5'-rapid amplification of cDNAend(RACE)および3'-RACE法によりインゲンマメ緑葉より単離した.成熟タンパク質の推定アミノ酸配列はエンドウGBSSIbと非常に高い同一性(83%)を示した(Fig.2).pvgbsslb転写産物は主として葉に蓄積し,登熟後期および完熟種子には検出されなかった(Fig.3).大腸菌で発現させた組換えPvGBSSIb(rPvGBSSIb)を電気泳動的に均一に精製し(Fig.4),層酵素化学的性質を調べた(Table2).