流動層造粒では粉末に水溶液バインダを噴霧して粒子を結着させ顆粒を生成するが,顆粒の含水率増加は製品の品質変化や乾燥工程の長時間化の原因となる.本研究では流動層造粒における粉末への加水量削減を目的として,水蒸気-水二相(SWTP)バインダを利用した.SWTPバインダによる造粒では,127°Cで138 kPaGの過熱水蒸気および水を,トウモロコシデンプン800 gおよびデキストリン200 gを混合した粉末に対して,一流体ノズルを通して,それぞれ18.8 g/minおよび約0~40 g/minで噴霧した.SWTPバインダにおいては,液体バインダによる造粒と比較して40~84%の加水量で同等径の顆粒が生成された.水滴流量が少ない条件で加水量低減効果が顕著であったが,同時に粗大粒の発生もみられた.水蒸気は水滴により生成された成長核に凝縮し効率的に顆粒を成長させたが,成長核が不足すると顆粒径の不均一性を増大させた.