混合の小さい流動層であるエクスパンデッドベッドクロマトグラフィー (EBC) は固定層で処理できない不溶物を含む溶液の直接吸着分離が可能となる方法である (Fig.1) .はじめにEBCの混合特性を滞在時間分布 (RTD) 曲線から解析した.RTD応答曲線は対称であり (Fig.4) , そこから求めたHETPは流速 (膨張率) やカラム内径 (1.6, 2.6cm) に依らず一定で0.8-1.6cm程度であった (Fig.3) .この結果から層内には大きな混合がなく, 固定層に近い軸方向の混合状態となっていることがわかった.また3倍程度に膨張すると平均空隙率は0.8となり, かなり大きな不溶性物質でも通過できる. つぎに内径1.6cmで沈降層高さ3cmのEBCにおけるリゾチームの破過曲線を測定したところ固定層とほぼ同一の形状であった (Fig.5) .すなわち, 本実験で使用しているEBCは固定層と同様な吸着性能を得ることができる.また, スケールダウンが良好に実施できたことを意味している. 実際の食品分離を想定して卵自からのリゾチームの回収をEBCで実施した.回収率と精製率は固定層クロマトグラフィーの結果とほぼ匹敵した.また, 固定層では圧力損失の増加が著しかったが, EBCでは非常に低い値であった.しかしながら, 膨張率が試料を負荷している間に増加することが運転上の問題点として提起された.固定層では圧力損失の急激な増加が観察された粗β-ガラクトシダーゼのEBC精製も固定層クロマトとほぼ同様な精製効率で実行できた.また再現性は良好であった.