電子レンジ加熱の温度むらの実態を調べるために, 3種類の電子レンジの比較を行った.試料はほぼ球形に成形した100gまたは180gのジャガイモを用いた.蛍光式光ファイバー温度計を用いて電子レンジ加熱中の試料温度を測定し, また加熱過程のジャガイモ断面の写真を画像解析した.3種類の電子レンジ共通点として以下のような特徴があった.球形ジャガイモの中心部が最も速く加熱され, ジャガイモ外周部の加熱が遅れた.電子レンジ庫内のジャガイモ設置位置は昇温速度と温度むらに影響し, 端設置のジャガイモは中央設置と比較して加熱が速く温度むらは少なかった.180gジャガイモの昇温速度は100gの2倍程度遅いが, 温度むらのパターンは100gと同様であった.