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  • 标题:カツオ節のエンタルピー緩和現象と物理的エージングがその水分吸着能に及ぼす影響
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  • 作者:橋本 朋子 ; 萩原 知明 ; 鈴木 徹
  • 期刊名称:日本食品工学会誌
  • 印刷版ISSN:1345-7942
  • 电子版ISSN:1884-5924
  • 出版年度:2004
  • 卷号:5
  • 期号:1
  • 页码:11-21
  • DOI:10.11301/jsfe2000.5.11
  • 出版社:Japan Science and Technology Information Aggregator, Electronic
  • 摘要:

    エンタルピー緩和現象は, アモルファス物質における重要な基本的特性の一つである.高分子化学の分野においては, 緩和の進行と巨視的な力学的特性が関連していることから, その現象がアモルファス物質の安定性に深く関与している重要な因子であることが認識されている.一方, 食品科学の分野においても, 糖やデンプンなどのエンタルピー緩和に関する研究が進められており, 近年その重要性が認識されつつある.しかしながら, 食品のエンタルピー緩和に関する研究例は未だ少なく, とくに実際の食品系に対しての検討例は今のところ存在しない.既往の研究において, 我々はガラス状食品であるカツオ節が, DSC曲線においてエンタルピー緩和に起因すると思われる吸熱ピークを示すことを明らかにした.そこで本実験では, カツオ節のエンタルピー緩和挙動に関するより詳細な情報を得るため, 保存条件 (温度・時間) の違いが及ぼす影響についての検討を行った.同時に, 既往の理論式を用いて緩和過程の解析を試みた.さらに, 緩和の進行が巨視的物性に及ぼす影響を調べるため, 本実験では水分吸着特性に着目し, 保存条件がカツオ節の水分吸着能に及ぼす効果についての検討を行った. 試料にはにんべん製のカツオ本枯れ節を用いた.あらかじめ昇温速度5K/minで150℃まで加熱して試料の熱履歴を消去した後, 冷却速度5K/minで-50℃まで冷却し, 再度5K/minで所定の保存温度 (25, 42, 60℃) まで昇温して, そのままDSC内で一定時間 (0-120h) 放置することによりエージング処理を行った.エージング終了後, 再度冷却・昇温測定を行い, 最終的に得られたDSC曲線における吸熱ピークの大きさ, すなわちエンタルピー緩和量 (Δ H ) を算出した.また, 異なる保存時間・保存温度で処理したカツオ節を, 各種飽和塩を用いて湿度調整したデシケータ内に放置して水分吸着させ, 最終的な平衡水分含量から水分吸着能について調べた. エージング処理を施したすべての試料において, DSC曲線上にエンタルピー緩和に起因する吸熱ピークが観察された (Fig.3) .算出された緩和量Δ H の値は明らかなエージング時間依存性を示し, その挙動は他のアモルファス物質と一致していた (Fig.4) .さらなる詳細な情報を得るため, アモルファス物質の緩和過程を記述するのにしばしば用いられるKWW式により, カツオ節エンタルピー緩和過程の解析を行った.KWW式は以下のように記述される. Φ( t ) =exp [- ( t /τ) β] ここでΦ ( t ) は緩和関数, τは緩和時間, βは緩和時間分布・非指数関数パラメーターである.τの値が大きいほど, ガラス状態下における安定性が高いことを意味している.式 (3) および式 (4) を組み合わせることにより, 実験値のKWW式へのフィッティングを行った (Fig.5) .本実験により, カツオ節のエンタルピー緩和過程がKWW式により良好に記述可能であることが明らかとなり, 短時間保存のデータを用いて, 長期間保存した場合の緩和過程を予測することが可能となった.フィッティングによって得られた緩和時間τの値を換算温度に対してプロットし, 同手法で得られたデンプンおよびスクロースの値との比較を行った結果, カツオ節のτの値は両物質と比べると明らかに低く, カツオ節のガラス状態が比較的緩和しやすいものであることが示された (Fig.6) .このような低い安定性が食品系において一般的なものであるのか, またはカツオ節に特有のものであるのかは現段階では明らかでない.食品のガラス状態の安定性に関与する因子を明らかにするためには, 今後より多くの食品に対するエンタルピー緩和研究を進めていく必要がある.また, カツオ節の水分吸着能は保存時間および保存温度に依存し, 緩和の進行と共に水分吸着能が低下した (Fig.8, 9) .同様の結果はデンプンにおいてすでに報告されており, 吸着能の低下と緩和に伴う自由体積減少の関連性が指摘されている.カツオ節においても, 同様の機構で吸着量低下が生じたものと思われる.すなわち, 緩和の進行に伴う自由体積の減少が水分吸着のための空間を減少させ, 結果として水分吸着量の減少が生じたものと推察される.最大3週間という保存期間でも, 緩和の影響は明らかであった.したがって, 実際の食品の保存期間を考慮すれば, 緩和がその食品の物性に及ぼす影響というのは決して無視できないものであると考えられる.

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