芯物質としてのフマル酸と膜材としてのナタネ硬化油 (mp67.5℃) を7: 3で高速撹拌して得られたマイクロカプセルを用い, 中性コンニャクの製造方法を検討した. コンニャクゾル中のマイクロカプセルを均一に分散させておくためには, 高温でコンニャクゾルの粘度の立ち上がりを大きくする必要があり, 反対に, マイクロカプセルからのフマル酸の放出を制御するには膨潤温度は低いほどよいことになる.検討の結果, 膨潤温度を40℃に設定すれば, 両者の要望を満足させることができることが分かった.膨潤時間はコンニャクゾルにダレが生じる時点より前に設定することとしたが, 膨潤温度により設定が異なった. 中和剤にフマル酸マイクロカプセルを, そして, コンニャク凝固剤には水酸化カルシウムを選定したが, その比が0.7~1.3のときにコンニャクのpHが中性となった.中性コンニャクの保存性を高めるには, F値10以上でのレトルト処理がもっとも好ましかった.