本研究は, 先に行った遠赤外線を積極的に用いた真空乾燥の続報である.大型で厚みのある食品の乾燥は, 真空凍結乾燥では長時間を要することから, ほとんど実施されていない.前報では, 遠赤外線真空乾燥によって大型の水産食品であるホタテ貝を対象として検討した.本研究では, 一般的に需要の高い水産食品であるエビとイカを対象として前報の結果と比較検討を行った.その結果, 乾燥後の品質は, エビを試料とした場合が色と形状の変化が少なく, 硬さおよび復水性についても優れた結果を示したことから, 遠赤外線真空乾燥に適する試料であることがわかった.一方, イカは, 色と形状, 復水性のどの結果も品質劣化が著しいことがわかった.