並列FDTD法により電子レンジテスト機内部に配置した被加熱物質内部の吸収電力分布を解析した.解析では電子レンジテスト機は工業用電子レンジを模擬してモデル化し, 被加熱物質には食品を模擬したモデル溶液 (デンプン溶液および塩分添加のデンプン溶液) を用いて検討を行なった.また, ヨウ素およびサーモグラフィを用いた温度分布測定を行ない, 本解析結果と比較検討することにより解析の有効性を確認した.この結果, 吸収電力分布と温度分布の傾向が一致することが分かり, 並列FDTD法のこの種の問題についての有効性を確認することができた.さらに, モデル溶液中央が高温となり, 食塩を添加することで端部も高温となる傾向などモデル溶液の吸収電力分布の傾向を把握することができ, 均一加熱殺菌についての基礎的資料を提供することができた.