無洗米加工装置より排出される洗米排水の処理ならびに, 排水中に含まれている固形成分の再利用の観点から, 酵素添加による洗米排水成分への沈降性の付加ならびに, 濃縮について検討を行った。その結果, 酸性プロテアーゼ, ペプチダーゼを含有する酵素剤の添加により, 沈降定数43%, 汚泥容量指数7.2ml・g-1という, 高い沈降性を示した。また, 排水上静中の全炭素量を測定したところ, 洗米排水原液の15%前後と低く, 酵素処理をしていない遠心後の上静成分の値と殆ど変わらないこと明らかとなった。さらに, 酵素処理後の洗米排水中の粒子成分表: 層の表面電位と沈降性との関連について検討を行ったところ, 表面電位と汚泥容量とは高い相関関係を示した。以上の結果より, 洗米排水中へのプロテアーゼ添加による固形成分の沈降・濃縮は, 酵素添加により排水中の固形成分表層の負電荷が増大し, 至っては吸着等の静電的相互作用により, 沈降性が高められたものと考えられた。