遠赤外線及びマイクロ波による食品の加熱に関して行ってきた研究について概要を説明した.遠赤外線による食品の加熱において高品質を保ちながら効率良く運転するには, 品質或いは品温に及ぼすヒータ温度等の操作条件の影響を予め知ることは重要である.本研究では遠赤外線照射時の熱移動について数学モデルを構築し, 加熱時の食品内温度変化について実験的, 理論的に検討を行った.一方, 食品をマイクロ波で加熱する場合, 食品内部に加熱むらを生じ, 大きな問題点となっている.この加熱むらが起こる要因として, (1) 食品 (容器) の形状や大きさによってマイクロ波の集中が異なる, (2) 加熱庫内の電界強度が不均一である, (3) 食品の誘電特性が温度によって変化する, (4) 食品によっては誘電特性が内部で不均一である, 等が考えられている.本研究では, マイクロ波加熱時の加熱むらを抑えることを目的として, 数学モデルを構築し, 上記要因について理論的な検討を行った.